デイリーバイシクルウェアー

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年も皆様にとりまして、よいお年でありますように。
また、私どもSTEM-DESIGNもどうぞよろしくお願い申し上げます。  http://www.stem-design.net

さて、前回までのいきさつは、バイシクルパンツの誕生秘話、そしてそのパンツが雑誌に取り上げられたのをきっかけに、本格的に商品化するというお話でした。
今回は、そこから店頭デビューにいたるまでをお話いたします。

横浜のグリーンサイクルステーション(以下、GCS)さんとおつき合いは、非常にスムーズでした。初めて電話で折衝をこころみたときも「すぐに会いましょう」という話になりましたし、もともとGCSさんは、街乗りスタイルを提唱している自転車ショップ(のちに、オシャレな自転車ショップのパイオニア的存在だったことが判明!)。しかもオーナーの鈴木さんとは年齢も近く、自転車乗りのファッションスタイルに対する価値観も共通していたので、私たちの商品を取り扱っていただくことに関しては、とんとん拍子に話がすすみました。

ところが、当時のSTEM-DESIGNのアイテムといえは、ボトムスがメルトンパンツと素材ちがいのコットンパンツのみ。そしてアウターはレザーのバイシクルシャツが2、3点……。
とても店頭を演出するどころか、品揃えも満足できるボリュームではありません。
「これでは、せっかくお店に置いていただいたとしてもサマにならない」と考えた私は、思いきって数型ではありますが、ワンコーディネートできるようなスタイル構成を提案することにしました。

そして、本業の仕事の合間をぬってできあがった追加アイテムが、レザーのカシミヤと評されるディアスキン(鹿革)をぜいたくにつかったライダースジャケットとニッカポッカーズ。いずれも自信作です。
現在の流行がブリティッシュスタイルということもあり、その流れをくんでクラシカルなテイストに仕上げました。

上がってきたサンプルをGCSさんへ持ち込むと、さっそく店長の鈴木さんから相談をうけました。
「いいねぇこれ、すんごくいいよぉ。でもさぁ、どんな風にディスプレイしたらいいの?」
店内は自転車と関連パーツであふれています。街乗りを提唱しているお店とはいえ、レース用のジャージーですらウェアー系はいっさい置かれていなかったのです。
そう。ここは、売り場スペースを確保する絶好の機会です。
もともとGCSさんの店内は「ショールーム」とよばれるだけあり、とてもお洒落でキレイです。昔ながらの商店街にある自転車屋さんのような作業場も表立っては、見あたりません。
ならば、ここで洋服用のラックを設置してトルソー(body)などを置いても何の違和感もありません。
それどころか「新しい自転車ショップの先駆けにもなりそう」などと、ひとり勝手にイメージをふくらませる私。
ここまできたら、ダメもとです。せっかくディスプレイの相談も受けているのですから、いっそ自転車コーナーからSTEM-DESIGN用にスペースを分けてはもらえないかと、イメージイラスト(ほぼ落書き状態でしたが)を添えて提案してみたのです。その結果……。
「いいよ、これで。見積もり、ちょうだいね。」とその場でOKが。
やった、スペースの確保! いやぁオーナーの鈴木さん、ホントにいい人ですね。
私はもうよろこび勇んで、ディスプレイ会社に電話して、什器や服に合うハンガーなどをコーディネートして、設置工事の日程調整をして、オーナーの気が変わらないうちに設置しちゃいました(笑)。

まさか、ちいさなアパレル企画パターン事務所が、こんな短期間に自社ブランドのコーナーをもてるだなんて、当初誰が想像したでしょう。

こうして2005年秋冬コレクションがそろい、GCSの一画にて、STEM-DESIGNが堂々デビューと相なったのです。

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