年々寒くなっている日本の冬。1〜2月になると、とにかく気温が下がっている印象だ。しかし空気の澄んだ冬でも、気持よく走りたいサイクリストたちは、冬に着れるお気に入りの自転車でも着れるコートを常に探している。一般的に防寒対策となるとどうしてもダウンや3レイヤーのジャケットといったアウトドア向けの洋服になってしまいがちだが、もうちょっとカジュアルなコートをさらりと着て、お洒落なレストランやカフェにも行ってみたい。でも、できれば自転車にも乗りやすいアイテムが欲しいということでSTEM DESIGNからリリースされたのが、自転車に乗ることを考えて徹底的に素材やディテールにこだわった「サイクル ピーコート」だ。
ピーコートとは、ウール(メルトン素材)の密度を高め、かつ生地の厚さをつけることで防寒性能を高めた、19世紀末から英国海軍の船乗りのためのオーバーコートの総称。丈が短く、カジュアルに着こなしやすいデザインのため、スタンダードなコートのアイテムとして、現在でも冬場になるといろんなシチュエーションで重宝され、アパレルブランドでは冬のコートとして例年ラインナップされているアイテムだ。しかしピーコートは、先にも記したように防寒性を一番重視していることで、厚手で密度が濃いウール生地仕上げとなっているため重量が重めで、しなやかさも物足りない。そのため自転車乗りには少々着こなしにくいアイテムになってしまっていた。実はSTEM DESIGNでも、2009年にサイクリストに向けてピーコートをリリースをしているのだが、その際、サイクリスト向きのギミックを多数取り入れているけれどもアパレル寄りの素材やデザインで作ったため、ストレス無く自転車に乗れるコートというよりは、お洒落着的な仕上がりとなっていたが、今回リリースした「サイクル ピーコート」は、サイクリング時にも妨げにならない、お洒落なピーコートをコンセプトに、特に生地のセレクトを中心に、もちろんディテールにもこだわった一着に仕上がっている。STEM DESIGNのピーコート、実に5年ぶりの復活である。
通常のピーコートで使用しているゴワゴワして硬いというウール素材は、良質のウールにカシミアを入れることにより、柔らかくてしなやかな生地感が実現する。その素材を殺さないように縫製は特に気を使い、高級スーツなどを作っている日本の縫製工場で丁寧に縫製することで、素材を柔らかくすることによる型崩れがしにくくなっている。また衿などの部分は芯を入れて型崩れを徹底的に防いでいる。その他、前傾の乗車時に腕や肩周りがつっぱらないように、同色のリブをデザインしたりと、サイクリストが快適に着れるようなディテールが満載だ。それらの積み重ねにより、自転車の乗りやすさと、降りた時の美しいシルエットを見事に両立している。
トラディショナルなファッション愛好家はピーコートが好きだ。サイクリストもそんなピーコートを好きなハズなのだが、自転車に乗らないときのアイテムと、認識している人がほとんだった。しかしSTEM DESIGNは「普段着だけどサイクルウェア」というコンセプトで、自転車に乗るアパレルと乗らないアパレルを近づけてしまい、できれば一緒にしてしまうことを目標にデザインしている。今回の「ピーコート」はまさに、どんなシーンでも着れるアイテムに仕上がった一着だ。今年の冬は、ぜひサイクル ピーコートを着て自転車に乗って、乗らない時間もこれを来てお洒落な街で散歩やデートに出かけて欲しい。
■COLOR: | DARK NAVY |
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■SIZE: | S、M、L、LL |
■MATELIAL: | WOOL 80%/CASHMERE 9%/ NYLON 10%/POLYURETHANE 1% |
■PRICE: | ¥65,000 + tax |